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(2001/05/09)
Cレヴォ修羅場明け
新作「おでん屋さん」完成。
前作と比べるなら、CGとアニメーションのボリューム、エッチとコメディーに期待して下さい。
ストーリ性に過剰な期待は禁物です。
……って所でしょうか(^^;

前作の「ゆりかご」(ケーキ屋さん)、お陰様で大好評です。
自信作ですので、是非、こっちもよろしくです(^^;
その直後だけに、ストーリーをウリにするのは辞めておきます(^^;
前の日記で「話がない」って書いていますが、路線が違うって感じなんですが。期待しないで読んでいただければ、ストーリー面でも良い意味で期待を裏切る事が出来るんじゃないかと(^^;
眉毛屋の軸とも言える、エッチでラブラブなコメディーを強調できた1作になったと思いますのでご期待を(^^)/


必至なおじさん

 とある雨の日。

 そのおじさんは店の入り口にいた。見たところ、40代半ばくらいで、銀縁の眼鏡を掛け、雨のせいかよれよれになった紺色のスーツを身にまとった、典型的なサラリーマン風の男だった。
 スパイ活動に従事するの者は、特徴を隠し有り触れた容姿に偽装する事により、正体を記憶されないようにすると言う。典型的なサラリーマンと思わされたのは、その男の罠かもしれないが、それは私にとって、まったくどうでも良い事だった。

 その男は下を向き、頭のてっぺんを私に向け必至になっていた。
 傘……これもまた典型的な黒いジャンプ傘に、雨の日に店頭に備えられる傘用のビニール袋を被せようとしていた。ビニール袋は傘の真ん中で皺になり、そこより引っ張り上げる事が困難な状態になっている。男は爪を立て、皺を延ばそうと試み、バーコード状に薄くなった頭を振り乱して必至になっていた。

 私が傘をビニール袋に入れ店に入ろうとした時、男は皺を伸ばす事を諦め、いったん傘からビニール袋を完全に外し、被せ直す方法を選んだようだ。
 数歩進んで私は振り返る。男はまだ必至になっていた。私は店の中へと進み、ここを曲がってしまっては店の入り口が見えなくなってしまう場所で、もう一度男を振り返る。ガラス越しで動作までは分からないが、男が未だに店の入り口で俯いている事が、男が必至になっている証明だった。

 人の入りの多い時間帯ではなかったが、五人ほどの客が傘にビニール袋をスムーズに入れ、当たり前だが難なく店に入って行く。しばらく眺めていたが男は必至であり続けた。私は結末を見届ける事なく店の奥へと進んだ。

 
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