私は辺境の国の孤島を買って、鏡と二人で余生過ごす事にした。 「余生か……なんだかジジ臭いなぁ。」 苦笑する。そんな言葉を使うには二人とも若すぎた。しかし、今の生活を気に入っている。元の喧噪の中には戻りたくなかった。 ガスも電気もない常夏の孤島。そこは文明から隔離されていた。その日に食べるだけ食料を調達する生活。資本主義からも隔離されていた。そして、何よりもクローン人間が存在してはいけないなどと言う法律がなかった。 遠くから私を呼ぶ声がする。もちろん鏡だ。 「鏡ぃ!」 私は力強く手を振る。波打ち際でピチャピチャ遊んでいた鏡は、水しぶきを上げて駆け寄ってくる。 「あーーーーぁぁぁ!」 元気な声は澄んだ空にどこまでも高く響いた。 地下室に閉じこめられ、真っ白な肌だった少女。 今では、太陽の光を存分に浴び、小麦色の美少女になっていた。 |
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