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(2000/08/10)
ゲームレビュー「GRANDIA2」
評価:85点
機種:DC
メーカー:GAME ARTS
プレイ年:2000年

ルナ2が95点、グランディアが90点、グランディア2が85点……今後はちょっと心配かも(^^;
グランディア2は「十分セーフ」って感じです。
前作でも2でも、ツッコミたい所もあるけど、十分お得感、十分遊び甲斐があるって感じで。
これを、「十分お得感があり、十分遊び甲斐がある……けど、ツッコミたい所もある」って書くと、また印象が変わりそうな訳で、まぁ点数が全てと思って下さい(^^;

グランディア1と比べると規模縮小した感じはあり。
マシンの性能が上がって快適になったせいかな?
キャラ的には、かなり好き。
音楽良い。
設定は壮大で大作らしくて良い……けど、物語の運び方に大いに問題有りで、今回の大きなマイナスポイント。
成長のシステムは伝統的に問題抱えていると思うので、個人的には難あり。
戦闘は、作戦の練り甲斐があって、知っているRPG中、最上位にランクする面白さ。
マップデザインが素晴らしい。凝っていて、無駄なく攻略できて、バランス良いって、今回のベタ誉め箇所。

以下、細かく。
ネタバレもあるので、未プレイの方は見ないで下さい。

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キャラ
17歳って「もう大人なんだから」&「子供のくせに」で、扱い辛いお年頃と思うのですが。
「無邪気な冒険心」で済ませた前作の14歳程度が正解かと。もしくは、もっと若く。
賞金稼ぎって事で目的を付けていましたが、賞金稼ぎ&敵討ちは、心情に訴える何かがある訳でもなく、行動動機の説明が簡単ってだけで、それ以上も以下もない制作側のメリットで、個人的には避けている所だったり(^^;
結局、終盤は無邪気な朴念仁って感じで、リュードさん(17)も、前作のジャスティンくん(14)と変わらないし(^^;
ひとまず、女の子キャラが良かったので良し(爆)
でも、マレッグ×ティオは大間違いかと(;_;
主人公に絡ませるべきです(;_;
折角のロボ娘&岩男潤子さんって最強の組み合わせなのに(^^;
マニュアルの登場人物紹介の順に出てこなかったので、どこかでイベント抜かしたかとヒヤヒヤさせられました(^^;
ミレーニアも良し。悪い娘から昇り調子で良い娘に(^^
エレナは良い娘→すごい良い娘→悪い娘って急激に下がりました(;_;
歌でリュード救って、良い娘に復活って感じで。
エレナ、ミレーニアのダブルヒロインで「結局何がやりたかったの?」って気はしますが(^^;

ストーリー
神魔の戦い……大作志向の定番!
世界の過去の謎解きながら……大作志向の定番!
世界を救う……大作志向の定番!
設定自体は壮大で良いし、大筋での狙いはかなり良かったと思うのですが、シナリオ(文章運び)でダメになったっぽい。
説明の悪さ、実は実はの展開に、どこが嘘でどこが本当かのわかり辛い。
まだ知っていない真実を前提にキャラが動いていたり、知っているはずの情報を知らない事にして動かしていたり(^^;
キャラ心情が物語の展開本位に流される、それっぽいだけで肝心な核心が伝わらない台詞回し、または狙いの分からない雰囲気的な台詞回し、ツジツマの破綻、物語的な演出がなされていない、説明不足。
……と、まぁ、かなり悪評価。以下細かく。

過去のムービー、結局、よーわからんかったです。
人間は元々地球にいた。グラナスに作られたものでも、ヴァルマーに作られたものでも無し。
神、グラナスは謎の宇宙人とか、謎の高度な精神体とか、謎の意志とかそんなのなんだろうけど説明無し。
グラナスの導きを求めた人間は、導きのままに無気力に道具的に。
反発した人間がいて、欲望を揺り動かす魔で対抗。
魔、ヴァルマーは人間が作った?
具体性に欠けるものの、とにかくグラナスが滅びてヴァルマーが勝ったってのが真実って事で納得。
グラナスは何の目的で人を導いていたか?
ムービー中の台詞で、グラナスも悪者っぽくみせたいって狙いがあるのは分かるんだけど……。
まぁ、祈りからエネルギーを得るためだとか、何となく理由付けできそうですが。
ヴァルマーってのは、欲望を呼び起こそうとして作られたはずなんだけど、失敗して暴走して滅ぼす存在になったって事?
鼻っから暴走している破壊者なら、闇の民はどんな理由でヴァルマーに与したのか?
ヴァルマーが支配欲を持っていた訳でもないだろうし、闇の民が破滅を望んでいたって事? 一体どんな理由で?
ゼラは、力を手に入れて支配者になると言いたいのなら分かるんだけど、わざわざ滅ぼすってのは納得行かず。
肝心なところ、狂ったフリさせて勢いで乗り切ったって感じだし(^^;
で、ティオってヴァルマー側の兵器ですよね?
何か神側の事情に精通しているし、グラナサーベル運転できちゃうし、過去のムービーではヴァルマーに襲われているし(^^;
過去を紐解いて行くのが、大筋の核にならないといけないと思うのですが、分からない&破綻していると思いました。

キャラの動かし方は、とにかく場繋ぎ的。
各キャラが把握している事を、書き手が把握しないで間違っていたり、うやむやにしていたりって所が多いです。
狙いがあるのかなと思ったら、逸らされたり伏線にもなってなかったり。
実は実はの展開に、書き手が付いて来られないのじゃ、読み手に伝わる訳もないです。
闇に精通しているはずのロアンが、サクッとヴァルマーの翼って名乗っているミレーニアに懐いたり。
エレナは、グラナス信者以外にも良い人がいるって感じで成長……したかと思ったら、ゼラが本性さらした辺りで、話の都合の良いように戻されているし。
今まで成長して来たと思ったのは何? 旅の途中何を見てきたの? 全部嘘? って感じです。
しかも戻し方悪い。仲間もミレーニアも見捨てようとしているイヤな女になっているし。
自己犠牲による聖女っぽさを出したかったのかも知れませんが、自己犠牲じゃなくて、自分の過去や行き方を肯定するために、他を否定した、とことんまでの自己保身です。自分勝手です。
ここで、エレナ嫌いになりました。
マレッグ、殺されれば悲しむと思ったら大間違え。
直前のバカボン口調の台詞に笑っていたし(^^;
マレッグを目立たせてから殺そうって意図は分かるんだけど、台詞回し、余りに雰囲気だけ(^^;
心、心と教えたティオに「悩んではならん」「考えてはならん」は無いよな〜。
やるなら、マレッグとティオでラブラブな1イベント入れて持ち上げてから、殺して落として、ティオに悲しみの涙を流させておくべきでしょう。
それで、後のティオの喜びの涙が活きて、持ち上がりまくるってもの。
その以前に、ティオを主人公と絡ませずに、マレッグと絡ませたのが間違えだと思いますが(;_;
マレッグ死んで、やっと絡んで来るのかと喜んだ(ォィ)ですが、ロアンの方に行っちゃうのも大間違え(;_;
物語的な演出、ホント無いですね。
ただ展開して行くだけ。
落としてから持ち上げるとか、持ち上げてから落とすとか、基本的な事はやって欲しいもの。
台詞回しの雰囲気重視は、リュードの「男なら……」って発言が何度かあったような気がしますが、別に男に限定した事を語ってないし。
リュードの行動動機をこじつけたいところは「男なら」って感じでもあり。
男ならって言いつつ、エレナ説得していたり。
嗚呼、雰囲気重視。
その場を盛り上げようとして、後で全然フォローできていない箇所があまりに多すぎだと思います。

エンディングは、なんか、色恋沙汰を無理に避けたような(;_;
歌で乗り切りますか……。
なんの為の17歳?
一年後、18歳って事で、結婚したとかってオチになるかなって思ったのですが。
まぁ、ファンタジーだし18歳にこだわる必要はないのですが。
それ言ったら、一夫一妻にこだわる事もないと思うし。
二人共妊娠させているくらいのエンディングを期待していました(^^;

シナリオのダメ箇所総論としては、むしろ、大筋の狙いはお約束重視なので読めるのですが、シナリオで混乱させられてました。
ハッキリ言って「かなりダメ」って評価です。
普通にまとまっていれば、100点付けたと思うのですが(;_;
シナリオはツッコミ入れるとキリがなさそうなので、この辺で。

ストーリーとして良かった所は、アイラ絡みの辺りと、ヴァルマーになったリュードを歌で助けたって所(^^
アイラは、「あなた目が……」って感じのエレナの台詞で、「次はヴァルマーの目」って予想が付き、後の展開まですべて予想通りでした(^^;
好きなパターンに行ってくれた感じ(^^;
リュードがヴァルマーになった所は、ヴァルマーにならなかったら御都合主義と叩きまくった所でしょう。
歌で救った演出は見事だったけど、心の繋がりを謳うのなら、これってラストに持って行った方が良かったのでは?
ラスト、結局、力に力で対抗だし(^^;

グラナクリフって、前作の壁(名前忘れた^^;)の変わりの存在だと思うんですが、アッサリと越えてしまって拍子抜け(^^;
前作では「この先は未知の世界」って冒険心をくすぐられて良かった所なので残念です(;_;

成長システム
必殺技は相変わらず沢山あってありがたみがない。
成長やら必殺技やら○○エッグやら、面倒なだけです。
物理攻撃だけのキャラ、○系の魔法の出来るキャラ、各キャラレベルに応じて新技を憶えていく……って感じで良いと思うのですが。
逆に言うと、それだけで十分面白いと思います。
複雑なパラメーター管理を、如何に簡素な操作性で……って考えるよりは、システムそのものを簡素にすれば。本末転倒を感じます。
却って、マイナスの要素に。
まぁ、前作も似たような感じだったので、マニュアル読むのもそこそこに、勘でパワーアップできてましたが(^^;
そもそも、この世界で魔法って何なのだか?(^^;
聖闇のみなら分かるんですが、前置きもなく水火土影雷とかが出て来たので、結構、違和感がありました。
PRGだから当たり前って感じではなく、その辺も含めて世界観を書いて欲しい物。

戦闘
距離と位置と時間の概念、キャンセル技。
ややこしい成長システムじゃなくても、これがあればグランディアだと思うんですけどね。
このまま、対戦出来るようにして欲しいほど、作戦の立て甲斐があって面白かったです(^^
個人的には、コルデで敵の行動下げて、アイテムで自軍の行動を上げて、キャンセル技で敵の大技を避けつつ……って作戦でした。
しかし、魔法と必殺技の演出がスキップできないゲームが未だに存在するとは(;_;
ボス戦なんかだと、同じ技連発するし、待たされるのは苦痛(;_;

音楽
距離感があったり、ボーカル曲うまく使ったり好評価です(^^

マップ
くど過ぎず、無駄が少なく、楽しませてくれて、適度に息抜きポイントがあり。
精神世界、体内世界のお約束マップもあり。
過去最高レベルって超高評価です(^^
マップ担当のせいではないと思うのですが、精神世界は、最初の方で出しては勿体ないかと(^^;
精神世界をヴァルマーになったリュードを救う時に、ラストは歌で世界を救うが「心」を語るには良かったかと。
って、マップから話逸れているし(^^;

ゲームバランス
ん〜、マップを熱心に回らなくても、出口までの敵を一通り全滅させていけば、最後まで無難にクリアー出来るってのが「良いバランス」ってされていると思います。
そんな意味では良いバランスです。
でも、安心しきってプレイできるので、いまいち緊張感が無くて(^^;

ポリゴン
DCのゲームでは最高レベルでしょう(^^
質感の統一感とか見事。
表情付きのポリゴンのみで演技してくれれば、ベストだと思うんだけど、今回2D絵がとても好みだったので良し(^^;

ムービー
ポリゴンで描画した方が良かったのでは?
ムービー中のキャラ、顔は違和感の塊だし、ブロックノイズ出まくりだし、質感の違いがイメージ崩すし、デメリットしか感じませんでした。
あと、二度三度のプレイ用に、省略機能が欲しいです。
ムービーだけじゃなくて、硬直箇所全般で。

総論
シナリオが極端に不評で採点外、その他は大まかに言っちゃえば、オール100点って感じ。
お約束主義で無難な事しかしないメーカーだと思うのですが、完璧に近い高品位なので……って、メーカーの評価をしています。
なので、平均以下の所が一つでもあったら個人的にダメです。
不満たらたらですが愛情の裏返しって事で。
コンシューマーのPRGでは、一番期待しているメーカーです。
次回作も前評判なんかはノーチェックで発売直後にゲットするでしょう(^^
って言うか、もう待ち遠しいです(^^;
ただ、最低でも1年は待たされるだろうな〜(;_;
ペースゆっくりなんだからこそ、一作一作を完璧に仕上げて欲しい物です(;_;