(2001/05/14) ゲームレビュー「close to〜祈りの丘〜」 評価:80点 機種:DC メーカー:KID プレイ年:2001年 有名作家を原画で使えば宣伝効果もバッチリだ!……そんなゲームじゃないかと、疑いながらプレイし始めたのが正直な所(^^; でも、プレイしてすぐシナリオの上手さに安心しました(^^ プレイしていくうちに……安心どころか、このシナリオさん、かなり上手い! To Heartのキャラ性。KANON的切なさ。加奈〜いもうと〜的切なさ、WHITE ALBUMの浮気ゲーム性(笑)の良い所取りって感じです。 WHITE ALBUMは良い所か微妙ですが(^^; ひとまず、ネタバレなしで。 原画 原画がごとPさんだからって理由で買ったので言うまでもなく。 CG この辺、真っ先に心配してメーカーページのCGを見に行ったので、購入前から安心してました(^^ ごとPさんっぽいCGに仕上がっているのと、そうでないのが枚数的に半々くらい。 どっちにしても、ゲームをしていて違和感はありませんでした(^^ 音楽 この手のゲーム系って感じでありふれてしまった感じ(^^; OP、EDのどっちかに明るいボーカル入り曲を用意しておいて欲しかった。 安テレビのせいか、OPの最初の方の歌詞が分からない(^^; 賛美歌風味の荘厳なのも欲しかった。 声 翔子、小雪はばっちりOK。 麻衣はもうちょっとロリ声の方が良かったと思うものの、それほど気にならないって程度。 問題は遊那。 絵に声が合っていないとも思ったし、シナリオに演技が合っていないとも思ったし、雰囲気にも合っていないと思いました(;_; なごむキャラどころか、引きまくってました。 個人的にはそうなんだけど、ギャルゲー史上最強を競う○○○○なヒロインとして好評な意見の方が圧倒的に多いようです……と付け足しておきます(^^; CD再生で聞けるアレは、とてもお気に入り(謎 システム そんな訳で、キャラごとに音声をON/OFFする機能が欲しかった。 操作性も良し。スキップもあるし、セーブ数も多いし、それ以外はかなり良い出来。 シナリオ 個人的に一番うるさい所ですが、かなり満足(^^ 設定から、オチは分かり切っている……と思ったのに、「そう来たか!」「やられた!」「な、なんと!」の連続って感じでした(^^; ネタバレ含みますので、詳しくはネタバレ改行後に。 あと、大爆笑してしまうようなとんでもないキャラのやりとりが多々(^^ 今後、名前をチェックしそうなシナリオさんです(^^ 欠点を上げるとすると、かなりのボリューム不足(;_; キャラ 「SeeIn青」の感想でも書いたけど、もはやこの手のゲームでウケるのは訳ありなキャラだけだと思います。 麻衣、小雪は十分に訳あり。 遊那はある意味、非常に訳あり(笑) 翔子は訳なしだけど、個人的には良し。 良いんだけど、攻略キャラ4人は少ないって所でしょうか。 若奥さん、お姉さん、看護婦とか、年上のポジションも欲しかった所。 攻略キャラを倍くらい。攻略できなくても名脇役なキャラとかも欲しかった……贅沢言い出すとキリがないですが(^^; もう一つ、こういうポジションのキャラでも話が作れるんじゃないかなと思っていたら……「やられた!」って感じでした。ネタバレになるのでネタバレ改行後(^^; 総括 ごとPさんの絵に持っていたイメージが強いので、他を厳しく評価しているかも(^^; 選択肢によって攻略キャラが分岐する、切ない系シナリオのアドベンチャー……個人的に、この手のゲームは飽きています(^^; そんな感じで厳しく評価したつもりですが、この点数って事で。 十分楽しめたのはシナリオが秀逸だったのに加え、主人公の状況が今まで無かった設定のおかげ(^^ まだ飽きていない人はどっぷりと、飽きてる人ももう一度楽しめるゲームではないかと(^^ 具体的に例を挙げるなら、Kanonあたりに比べて1ランク上のシナリオだと思います。 だが、しかし……短すぎ(;_; オマケ的なキャラでも良いから増やして、もっとボリューム感を出して欲しかった。 キャラが少ないおかげで、各キャラの相互エピソードにすごい緊密感が出せたって点は評価できますが、正直、4人しかいないキャラもボリューム不足。 途中やエピローグなど加えればもっと良くなったと思います。 お得感的に大きく減点している感じ。 あと、この設定でお色気シーンがないのは、むしろ不自然(ォ 同人とは言え小説を書いている身として、久しぶりに得る物があったシナリオです(^^ シナリオさん、なんて人だろうと思って、エンディングを見直す。 複数……1人じゃないんですか(^^; 分業でここまでまとまったシナリオを書きますかと、違った驚きが(^^; プロット起こした人の功績だと思うのですが、企画の人かな? 今後、購入の参考になりそうです(^^ 以下ネタバレにて。 ネ タ バ レ 注 意 ネ タ バ レ 注 意 ネ タ バ レ 注 意 ネ タ バ レ 注 意 ネ タ バ レ 注 意 ネ タ バ レ 注 意 モチモチッ♪ 主人公が死ぬ話だと思っていたんだけど、幽体離脱って事で安心してプレイできたんだけど……色々と伏線が見事。 モチモチッ♪ 最初は遊那狙い。 天使の羽が出て来た時、「唐突だな。こー言うのはちゃんと伏線貼らないと」と思ったのですが、幼い時、遊那が溺れたってイベントがしっかりと伏線として結びつく。 直接的に「天使の羽」って単語を明示しておかなくても、こういう間接的な方法があるのか……と勉強になりました(^^; OP、見直してみたら、小瓶の中に羽が入っていましたが(^^;;; しかも、その時に使ってしまって、中に入っているのはただの羽。 奇跡をご都合主義に見せないための伏線だと思ったので、自らの首を絞めてどんな展開をするかワクワクでした。 ちょっと、あっけない展開だったのですが、後にプレイした麻衣シナリオで納得。 モチモチッ♪ 次に小雪。 主人公も小雪も助かるエンディングが無かったのが残念。 どういう風に切り抜けのか楽しみだったのですが(;_; 親が医者なんだし、移植で済むのなら、豚に小雪の遺伝子入れたりクローン技術で臓器培養とか、非合法な方法なら既存の技術で可能だったと思うのですが。フィクションなんだから、そーゆーのも有りかと。 違法じゃ国へ行って海外治療とか。 ペースメーカー入れるなんて方法もあるし、人工心臓なんてのもあるし。 ところで、何て病気だったのでしょうか? 遺伝性なら、子供産んでいる母と同じくらいは生きそうだし。 脳死したって体だけ生かしておけるほどに医療技術が進んでいるって言っていたのに。 ……と、オラオラとツッコミ(^^; 父が医者だけに、心臓病で確実死は辛いかと。 医療ネタって、インターネットでいくらでも検索できるので、誤魔化しは利かないと思います(^^; どうも、シナリオ的に可哀想と言うよりは、制作側に殺されて可哀想って感じでした(^^; 2つあったエンディングのうち、小雪が生き残る方が好みだったです。 男は死んでもOK(ォ 主人公が生き残る方のエンディング……このエンディング以外でもあった展開ですが、遊那、引っ越したくらいで「二度と会えなくなる」ってのはご都合主義。 こっちがトゥルーエンドのはずなんだけど、小雪死亡後の、主人公が死を受け止めてこんな人生を歩んでいくってエピローグがないのでスッキリしない。 と、共に死ぬってエンディングが欲しかった。 何にしても、医療ネタとしても死をテーマと扱ったネタとしても、「加奈〜いもうと〜」に比べるまでもなく(^^; 人食の風習のある家庭って事で、プリオン病を持ってくるとかの方が良かったのでは(ォィ モチモチッ♪ で、4人中2人をクリアーして、意外と早く終わってしまうゲームだなと感じてました。 キャラがもっと多ければ……こういうキャラがいればな、と思ったのが、上述しているのと、主人公と同様に幽体離脱している娘か、地縛霊になっている娘で、とにかく霊な娘。 主人公が霊ゆえに、会話させるのに苦労しているって感じて、霊能力者を2人も出すのなら、霊の少女を用意しておけば良いと思ったわけです。 そんな事を考えながら麻衣攻略に入っていたので、麻衣の正体にはビックリでした。 姫、小雪の姉ってのはすぐに読めたんだけど、またまた天使の羽絡みで「やられた!」でした(^^; 小雪の時に共に死ぬエンディングが欲しいと思ったら、麻衣エンディングがそうでした(^^; 贅沢を言うと、裏で小雪が心臓移植を快諾してくれる根回しが欲しかったかも(^^; 麻衣エンドが一番好みでした(^^ モチモチッ♪ 小雪にしても麻衣にしても、漫画チックな霊(主人公)のおかげで、「死」の緊迫感がなくなってしまった感があります。 死んでも会えるってイメージだし。 転生して一緒になれたなんてのも有りだったと思うのですが。 死のないエンディングで勝負をした方が良かったかも。 幽体離脱の娘がいれば、共に死にそうになりながら話を引っ張って、共に生きていくってエンディングを用意できただろうし、是非やって欲しかった(^^; モチモチッ♪ 最後に翔子。 ひなげしの花……そう来たか!って感じで(^^; アイテムを使った伏線、ホントに見事。 展開的にも見事なんだけど、「ひなげし」の一言でエピソードが通じるのがミソでしょうか。 名詞を定義しておくと、内輪しか知らない言葉を知っている=内輪に入り込めるみたいな効果があって、感情移入しやすくなります。 突っ込んでおくと、翔子の夢よりも遊那の夢に直接入った方が良かったのでは?(^^; モチモチッ♪ 終わってみれば、遊那、溺れたエピソードは主人公の記憶の錯簡、ひなげしの花はちゃっかり。 段々と、印象が薄くなりつつ、印象が悪くなりつつって感じなんですが(^^; でも、敢えてそうして、WHITE ALBUMみたいに浮気が痛いゲームにならないように狙っている感じなんですよね(^^; 欄干渡る遊那、ホントに好きだったら怒ってでも引き下ろすでしょう。溺れられた過去なんてあるのなら尚更……と、ファーストプレイでツッコミ入れていたのですが、後に納得。 プロローグのバカップルぶり、かなり引いていたんですが、擬似恋愛、恋愛ごっこを描く狙いだと。 最初っからおとしめるように狙っているというか、遊那、可哀想過ぎる(;_; シナリオ的に可哀想というよりは、制作側に非道い扱いされてって意味で。 全シナリオ終了後に、遊那シナリオをもう一回クリアーすると、真相(特にひなげしのちゃっかり)をフォローしたエピローグ入りのエンディングが迎えられる……って感じにして欲しかったです。 同情はしつつ、翔子、小雪、麻衣の3人に甲乙付け難しに萌え〜って感じですが(^^; 遊那、近寄りたくないキャラです(笑) モチモチッ♪ やはり最後に思うのは、良くできたシナリオなんだけどボリューム不足。 良くできたシナリオだけに勿体ないです。 モチモチッ♪……嗚呼、頭にこびり付いて離れない(^^; |