主人でありながら下の世話をやらされる事を屈辱に感じていた。つくづく私は生き物を飼う事には向いていない性格のようだ。

 人形に水分を十分与え、洋式の便座に座らせた。ここが何をする場所かを教えるためだ。私は下半身だけ裸にされた人形の股間をまじまじと覗き込んで、放尿の瞬間を今か今かと待ち望んでいた。
 

 

 

 
 端から見れば非道く滑稽な光景であろう。それとも淫猥な光景なのであろうか。
「……」
 人形は相変わらずの無表情である。
「ほらほら、しーしー……しーしーしろって。」
 私は人形の割れ目に向かい話しかけていた。まだ放尿は始まらない。じれったくなった私は、そこをつんつんと指先で刺激する。
 ペロッ…と割れ目をめくり、中の構造を確かめる。
「この辺が尿道か?」
 薄暗い個室の中でははっきり確認する事が出来ない。それらしき辺りをコチョコチョと悪戯する。

「おっ、来たか?」
 指の腹に汁気を感じた。しかし、その汁は糸を紡ぐ。まごう事なく愛液であった。
「あのなぁ、そうじゃなくて…」
「……」
 人形は何も答えない。
 それから少しすると…

 チョ……チョボ……チョボチョボ……
「お、来た!」
 割れ目から液体がほとばしる。
「来た来た!行け!そうだ!」
 耳に赤鉛筆を差せば、立派な競馬狂いのオヤジである。
 チョボ…っと最後の一雫がこぼれる。

「……」
 人形の視線がいつの間にやら私の方を向いていた。冷めた瞳には、興奮した男の姿が映っていた。
「なにをやっているんだか…」
 自嘲する。
「そんな目で見るなっ。」
「……ぅー……」
 人形は意味不明の声をあげる。
 

 
 


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